「カゴメ健康サポートプログラム」の受講により、野菜摂取に関する意識や行動が促進されることを確認 ~第66回日本栄養改善学会(2019年9月5日~7日)で発表予定~

カゴメ株式会社(代表取締役社長:寺田直行、本社:愛知県名古屋市)は当社の健康サービス事 業(※1)において開発した「カゴメ健康サポートプログラム(以下、本プログラム)を受講した方は、野 菜摂取に関する意識や行動が促進され、野菜摂取量が増加することを明らかにしました。この研 究は、2018 年に神奈川県に採択された「神奈川 ME-BYO リビングラボ」実証事業に基づいて行わ れました。「神奈川 ME-BYO リビングラボ」とは、神奈川県民が安心して未病改善に取り組むこと と、未病産業の持続的発展の促進を目的に、市町村や健康経営を実践する企業等と連携して、県 民参加の実証フィールドを創出し、未病関連商品・サービスの検証・評価を行う仕組みです。

■ 本研究の目的
野菜摂取量の目標は 1 日 350 g と定められていますが、日本人の平均野菜摂取量は 288 g と 目標に達していないのが現状です(※2)。特に、20 歳代~50 歳代は 60 歳以上に比べて野菜摂取 量が少なく、勤労世代において野菜摂取を促す必要性が特に高いと考えられています。
本研究は、勤労者を対象として、当社がサービス提供している野菜の摂取量を増やすための” カゴメ健康サポートプログラム”を受講してもらい、野菜摂取に関する意識や行動、及び実際の野 菜摂取量に与える影響を明らかにすることを目的として、実施しました。

■ 方法と結果
本プログラムの評価は、女子栄養大学との共同研究として実施しました。
男女 225 名の勤労者を、本プログラムを受講する群と受講しない群とに分け、プログラム実施前、 プログラム終了直後、終了 6 週間後に、野菜摂取に関する意識や行動並びに行動変容ステージ (※3)に関する質問紙調査、及び食事調査を実施しました、その結果、本プログラムを受講した群 では、受講しなかった群と比較して、プログラム終了直後、終了6週間後の野菜摂取に関する行動 変容ステージが有意に増進していた他、プログラム終了直後で食事調査から算出された野菜摂取 量が有意に増加していました(下図)。 このことから、本プログラムの受講により、受講者の野菜摂取に関する意識や行動が促進され、 その結果、プログラム直後の野菜摂取量は増加しました。

図. 野菜摂取量の変化 試験群;n=100, 対照群;n=94, 値は平均値 a: 受講前の値と比較して有意差あり (p < 0.01, one-way ANOVA Dunnett 解析) b: 対照群と比較して有意差あり (p < 0.01, student’s t 検定)

<まとめ>
◆”カゴメ健康サポートプログラム”の受講により、受講者の野菜摂取に関する意識や行動が 高まり、プログラム直後の野菜摂取量は増加しました。
◆本研究結果は第66回日本栄養改善学会(2019年9月5日~7日)にて発表致します。

<研究概要>
【試験方法】
神奈川県内に事業所がある企業に勤務し、研究への参加同意が得られた 225 名(男性 127 名、 女性 98 名、平均 43.7 歳)を対象とし、無作為に本プログラムを受講する群(試験群)と受講しない 群(対照群)とに割付けました。研究対象者には、プログラム受講前、プログラムが終了した直後、 終了した 6 週間後で、野菜摂取に関する行動変容ステージを調査する調査票、及び食事調査票に 回答してもらいました。

★ カゴメ健康サポートプログラムの内容
① 野菜摂取量を増加させるための管理栄養士による動機づけや手段を提供するセミナー
② 簡便に野菜摂取量を増やせる手段として 2 週間分の野菜飲料の提供
③ 受講者への野菜摂取量の記録用紙の配布

【結果】
試験期間中に脱落した方を除き、結果の解析は 194 名(試験群 100 名、対照群 94 名)で実施し ました。
試験群は、プログラム受講前と比較して、プログラム終了直後、終了 6 週間後の野菜摂取に関 する行動変容ステージが有意に促進されていましたが、対照群では変化がありませんでした(図 1)。また、プログラム受講前から、終了直後、終了 6 週間後の行動変容ステージの変化を群間で 比較した結果、対照群よりも試験群で有意に変化量が大きくなっていました(p < 0.01)。
野菜摂取量については、試験群は、プログラム受講前と比較してプログラム終了直後で有意に 増加(平均 122.9 g/日→175.0 g/日、p < 0.01)していましたが、対照群では変化がありませんでし た(図2)。また、プログラム受講前から終了直後の野菜摂取の変化量を群間で比較した結果、試 験群の方が有意に高い値となっていました。しかし、プログラム終了 6 週間後では、これらの差は 確認できませんでした。

図 1. 試験群の行動変容ステージの変化 試験群;n=100, 図内の値は% *:受講前と比較して有意差あり (p < 0.01, Freedman 検定)
図 2. 野菜摂取量の変化 試験群;n=100, 対照群;n=94, 値は平均値 a: 受講前の値と比較して有意差あり (p < 0.01, one-way ANOVA Dunnett 解析) b: 対照群と比較して有意差あり (p < 0.01, student’s t 検定)

【まとめ】 以上の結果から、“カゴメ健康サポートプログラム”の受講により、野菜摂取に関する意識や行 動が促進され、野菜摂取量が増加することが示唆されました。一方、野菜摂取量の増加について は、長期間維持されないことが示唆され、行動の維持を促すには、別の介入が必要であると考え られます。 

<用語説明>
※1:カゴメの健康サービス事業
2018年10月に TOP 直轄部門として新設した健康事業部では、主に法人や自治体向けに、 健康増進をサポートするサービスを開発・販売しています。2017年9月に立ち上げた、プロジェク トチーム「野菜と生活 管理栄養士ラボ®」は、食と健康のプロである管理栄養士資格保持者45名 (2019年7月時点)が在籍し、その一翼を担っています。
野菜摂取の重要性、メリット、メソッドを伝えるセミナーやメニューレシピ、料理教室等を通じて、 食生活の改善や野菜摂取をサポートします。

※2:平成 29 年「国民健康・栄養調査」、20 歳以上男女の平均値

※3:行動変容ステージ
行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、以下の【図】のように「無 関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の 5 つのステージを通ると考えます。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

今回の試験では、無関心期:1 点、関心期:2 点、準備期:3 点、実行期 4 点、維持期:5 点として スコア化し、結果を統計解析しています。

■神奈川 ME-BYO リビングラボ 神奈川 ME-BYO リビングラボとは、神奈川県民が安心して未病改善に取り組むことと、未病産 業の持続的発展の促進を目的に、市町村や健康経営を実践する企業等と連携して、県民参加の 実証フィールドを創出し、未病関連商品・サービスの検証・評価を行う仕組みです。神奈川県では 「神奈川 ME-BYO リビングラボ」を通じて、SDGsの取り組みを推進しています。

カゴメ株式会社
経営企画室 広報グループ
北川、太田
TEL/03-5623-8503 FAX/03-5623-2331

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