今回は、福島県矢吹町でのカゴメの健康サービス事業活用事例のご紹介です。矢吹町健康づくり事業(ベジライフセミナー)をご担当されています、保健福祉課 久野様にインタビューしてまいりました。
生活習慣病改善に向けては、生活習慣を改善することが大切とわかってはいるものの、なかなか意識も行動も変えることは難しい、といったお悩みをお持ちのご担当者様への参考となれば幸いです。
福島県県矢吹町date(2021年5月1日現在)
人口:16,774名 / 世帯数:6,158世帯 / 面積:60.40km2
概要: 矢吹町は福島県の南部、北緯37.12東経140.20に位置し、ほとんどがなだらかな地形。三方を阿武隈川、隈戸川、泉川が流れ、羽鳥ダムの水を利用した農地が町の面積の半分以上を占める。
生活習慣病の予防・重症化抑制に向けて、民間企業の知識や体験を最大活用
―矢吹町様の今回の事業実施に至った背景について教えてください。
町の生活習慣病医療費(国保)は、糖尿病と高血圧症がトップを占め、国保加入者の死因の1位はがん、次いで心臓病・脳血管疾患の順でした。特に脳血管疾患による死亡は県・全国より高い割合を占めている状況でした。
当町では毎年、特定健診後にメタボ予備軍及び該当者に対し、特定保健指導を実施していますが、行政に管理栄養士が常勤していないため、栄養に関する指導が不十分となってしまうという課題がありました。
そこで、カゴメの健康サービスを通して参加者の意識の変容に繋がればと思い、活用させていただきました。
―「矢吹町健康づくり事業(ベジライフセミナー)」ではどのようなことを行いましたか?
下記の図のように3ヵ月間、特定健診・特定保健指導の流れに組み込む形で働きかけを行いました。
―取り組みと狙い―
対象 健診結果説明会にて受講を希望された特定保健指導及び重症化予防該当者。
周知 健診結果説明会
時期 令和2年11月~令和3年3月
アウトカム指標(効果)としては、下記のような結果が得られました。
*短期
対象者の推定野菜摂取量データ、食習慣などの行動変化、ベジファーストなどの具体的意識の変化
*中長期
健診結果経過、生活習慣改善の継続、重症化予防対象者の減少、メタボ該当者の減少
*事業全体
・野菜の摂取量の増加以外に、食べすぎ・就寝前の食事についても改善
・野菜摂取に野菜飲料を取り入れたことが手軽で、住民も継続しやすく、野菜摂取量の増加に繋がったと考えられる
参加された皆さまからは、下記のようなお声もいただき、事業に対し好印象な感想が多くありました。
・ベジハンドで野菜の摂取量が目で見てわかるので、よかった。
・(野菜を食べる量が増え)数値が上がっていくのを見て、もっと頑張ろう!!と思った。
・3ヵ月のベジハンドレコーディングを行って、野菜を食べることが習慣化した。
・3回の測定だけでなく、いつでも測定できるようにして欲しいと思った。
―特に工夫した部分や対象者に刺さっていた部分を教えてください。
ベジチェックはとても印象に残った様子でした。
摂取量が数値でわかるので、今までの摂取量で良かったのか、改善した方がいいのか参加者の方も客観的に判断できたようです。
また、特定保健指導のプログラムの1つとして取り入れたため、生活改善目標に繋げている方が多くいらっしゃいました。
―当時は新型コロナウイルス感染症の影響もさまざまあったかと思います。
本事業にあたり、どのような対策で進めていましたか?
①オンラインでのセミナー実施、②参加前の体温測定、体調確認の実施、③消毒、換気の徹底、④ソーシャルディスタンスの確保(会場は広い場所で実施、参加者間にパーテーションを設置など) の4点を心がけました。
―今後の展開について教えてください。
今回は、食生活の改善に焦点を当てた事業の展開を行いました。特定保健指導への参加者の多くが60~70歳代であり、食事量、内容の変化や運動機能の低下などが原因となるフレイルにも注意が必要な世代であることから、今後はフレイル対策のための食生活について等の事業も展開できればと思っています。
おわりに
カゴメの健康サービス事業は、健康増進を推進している自治体にもサービス提供を行っています。今回の主な場面となった特定健診、特定保健指導の場面では、習慣化されてしまった健康に良くない生活を変えるきっかけとして「ベジチェック(R)」や「野菜と生活 管理栄養士ラボ(R)」によるセミナーをご活用いただくことが多いです。
集客や定期的なフォローなど、住民の状況をしっかり把握されている自治体の職員様と一緒に、健康になれるお手伝いを行わせていただけますと幸いです。
下記お問い合わせからぜひお気軽にご相談くださいませ。